Q1.本店移転登記手続きを依頼する場合に、何を準備すればいいですか。
A1.最新の登記簿謄本(お手元になければ当事務所で取り寄せます)、定款を揃えていただき、(1)移転を決めた日時(株主総会等の日時)、(2)移転日、(3)移転先、(4)株主総会の状況(株主数、議決権の個数など)の情報など、事前にご準備ください。
なお、本店移転日については、こちらもご参照ください。
Q2.移転先は、「新宿区新宿一丁目2番3号新宿ABCビル101号」のようにビルの1室にあります。ビル名、室番号も登記できますか。
A2.移転先が、ビルの一室にある場合には、「新宿区新宿一丁目2番3号新宿ABCビル101号」のように建物の名称と室番号を併記することができます。この場合に、建物の名称の一部に、ローマ字を使用することもできます。
Q3.本店移転登記を申請してから完了までにかかる日数はどれくらいですか。
A3.申請先の法務局の状況にもよりますので何とも言えないのですが、管轄法務局が変わらない場合は約1週間、変わる場合は10日から2週間程度かかるとお考えください。
これまでの経験ですと、
1.某県(会社の登記は県内1ヶ所)で管轄法務局が変わらない本店移転登記を申請した場合の所要日数は8日間でした。
2.東京から某県(会社の登記は県内1ヶ所)に管轄法務局が変わる本店移転登記を申請したときの所要日数は1週間でした。
3.東京都内で管轄法務局が変わる本店移転登記を申請した場合の所要日数は8日間でした。
…結局、申請時の法務局の混み具合等にもよりますので、何とも言えません…。
Q4.本店移転手続きは、法務局に登記を申請するだけでいいのでしょうか。
A4.本店移転をした場合には、移転の翌日から起算して2週間以内に移転登記をする必要があります。移転登記が完了した後にも、税務署、社会保険事務所、労働基準監督署、公共職業安定所等にも変更届を提出する必要もあります。
【参考】本店移転登記はいつするか?
Q5.本店移転登記を申請する際、賃貸契約書などは必要ですか。
A4.事務所等を借りる場合には、賃貸契約を締結しますが、登記を申請する場合には、契約書の提出は(コピーも含めて)必要ありません。
Q6.本店の移転日前に、本店移転登記を先にすることはできますか。
A6.移転日前に本店移転登記をすることはできません。
株主総会、取締役の決または取締役会の決議に基づいて、新本店所在地で現実に本店の業務を開始した時に本店移転の効力が発生します。発生してからその移転の登記を申請することになりますので、事前に登記だけ申請することはできません。
Q7.本店移転登記と同時に、代表者の住所変更もできますか。
A7.1回の申請で、本店移転登記と代表者(代表取締役、代表者印)の住所変更登記を同時に申請することができます。
なお、別に申請しても、同時に申請しても、登記費用(登録免許税、司法書士報酬)は変わりません(申請時、納品時の送料等の実費は変わります)。
Q8.本店を移転すると「会社法人等番号」は変わりますか。
A8.他の法務局の管轄区域内へ本店を移転したとしても、「会社法人等番号」は変わりません。従前の番号はそのまま引き継がれます(2012年5月21日にそのように変更されました)。
Q9.東京本店、大阪本店等のように複数本店を登記することはできますか。
A9.本店所在地は人(自然人)の「本籍地」と似たようなものです。
国内のどこに置いても問題ありませんが、1社1か所と定められています。
営業所、支店は複数置いても問題ありません。
なお、(登記されている)本店と「本社」は別次元の言葉です。本社は事実上の拠点であり、本店と本社を一致させる必要はありませんし、東京本社、大阪本社と複数置いても問題ありません。
Q10.本店移転登記と役員変更登記を同時にすることができますか。
A10.同時に登記を申請することができます。
ですが、同時に申請したからといって登録免許税が安くなるわけではありません(Q7参照)。
同時に申請するメリットは、一度で手続きを済ませることができるという点です。
なお、個別に申請すると、役員変更登記に1週間かかり、本店移転登記も1週間~10日程度かかり、一方の手続きが完了するまで、他方の登記を申請することができません。